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レスポンサムで災害医療体制を「見える化」、病院の強靭化に寄与
医療機関用災害時危機管理体制強化サービス『respon:sum(レスポンサム)』を、ご活用されている地方独立行政法人 りんくう総合医療センター様に、お話を伺いました。
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■病院職員の健康管理、非常時招集・配置を一元管理できるrespon:sumを採用

日本列島は『災害列島』と称されるほど自然災害が多く、台風や豪雨、地震、火山噴火などによる大きな被害が繰り返されてきました。今後30年以内には、南海トラフ沿いをはじめ各地において高確率で大地震が起きるとの予測もあり、備えが欠かせません。
多数の重軽傷者の発生が予想される大規模災害の際、『災害拠点病院』には、地域の人々の命を守る医療機関を支援する役割と機能を果たすことが求められています。大阪府泉佐野市の地方独立行政法人りんくう総合医療センター様はその『災害拠点病院』の一つで、全国に4か所しか設置されていない『特定感染症指定医療機関』のほか、『泉州広域母子医療センター』『泉州救命救急センター』も備えるなど、大阪府南部の急性期医療の中核を担う医療拠点として大きな存在感を示しています。
大規模自然災害発生時、医療機関がその機能をフルに発揮するためには、災害医療体制の確立、職員の防災意識の醸成、実地を意識した訓練の実施などが欠かせません。りんくう総合医療センター様では、株式会社Smart119が提供する医療機関用災害時危機管理体制強化サービス『respon:sum(以下レスポンサム)』の前身である「Smart:DR(院内通称:DCS)を2016年に導入。コロナ禍に対応して2021年3月に「職員健康管理機能」を追加し、約1,100人の職員の体温や体調、勤怠状況、ワクチン接種後の副反応の発生状況などをアプリで一元管理してきましたが、2021年9月に『レスポンサム』に新たに追加された、災害発生時に設置される医療救護所への人員配置、状況の変化に応じた医療班再編成など災害医療運用の支援を可能とする『配置部署図機能』を活用し、災害医療体制の強化に役立てています。
体制強化の取り組みについて、同センター救命診療科の成田麻衣子医長は次のように話しています。
「当センターは、特定感染症センター、地域周産期母子医療センター、救命センターを併せ持つ災害拠点病院です。そのような機能を持つ病院のロールモデルとなれるように、災害医療体制の強靭化を促す『レスポンサム』の導入と活用を決めました」


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「人員配置に変更があった際も個人の各端末にすぐに反映されて情報共有が可能になるなど、配置と役割の『見える化』が実現され、とても便利になったと感じています」(救命診療科 成田麻衣子 医長)

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地方独立行政法人 りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)
災害拠点病院のロールモデルになりうる医療センターを目指す。
特定感染症センター、地域周産期母子医療センター、救命センターを併せ持つ日本有数の医療機関。

■旧態依然とした安否確認・招集要請・人員配置システムを刷新。すべてを電子化し、アプリケーション一つで完結

 災害発生時、医療機関が最初になすべきことは職員の安否確認と招集です。レスポンサム導入以前、りんくう総合医療センター様では、大規模災害を想定した防災訓練実施時に、携帯電話・スマートフォンのメールを介して『職員の安否確認』『職員への参集指示』『登院可能者の確認』等を実施していたと言います。
「ただ、携帯電話やスマートフォンのメールに関しては、利用者が能動的にメールをチェックする必要がありますし、通知を非通知にしている職員も少なくありませんでした。そうした要因で病院からの参集要請に気づかない職員が多く、使い勝手が芳しくなかったことから改善の必要性を感じていました」(成田医長)
 実際、2018年に発生した『大阪府北部地震(最大震度6強)』の直後、約1000人の職員に対して携帯メールによる安否確認および参集要請を実施したものの思うように捗らず、さらに2020年の防災訓練時に同様の方法で要請を実施したところ、応答した職員は全体の4割に満たなかったと言います。
課題は、安否確認や参集指示にとどまりませんでした。
 医療機関は、医師、看護師、医療技師などの医療職員のほかに、多数の事務職員によっても支えられています。災害時、特に事務職員の役割や配置は不明瞭になりがちで、職員を招集したからといって、人員を適切な部署に配置し早期に災害医療体制を確立できなければ意味をなしません。この人員配置についても、「以前はアナログな方法を採用していたこともあり、決して使い勝手が良いとは言えませんでした」と、総務課の奥伸行さんと中山健太郎さんは口を揃えます。
「災害発生時に開設される災害対策本部では、以前はホワイトボードや模造紙、付せんなどを使って人員配置や役割を管理していました。当然のことですが、付箋が紛失すると、誰がどんな役割を担当していたかがわからなくなるなど情報共有に難が生じます。また、状況に応じて人員配置は臨機応変に更新していく必要がありますが、その更新の有無を確認することもままならないなど、利便性に欠けていました」(奥さん)
「以前は配置部署図を紙ベースで作成しており、その内容を確認するために配置部署図が貼られた場所までわざわざ足を運ぶ必要がありました。誰がどんな役割を付与されているのか一目でわかる運用になっていなかったことから、実際に大規模災害が起きたときに、現場が混乱をきたすことが容易に想像される、貧弱な運用管理体制にとどまっていたと思います」(中山さん)
 りんくう総合医療センター様は将来を見据えて、救護所等への人員配置をすべて電子化し、一つのアプリケーションで実現できる機能の追加を企図しました。当初、レスポンサムに『配置部署図』機能は付与されていませんでしたが、りんくう総合医療センター様からのご要望に応える形で、株式会社Smart119は開発に着手します。
「Smart119社の開発エンジニアに相談したところ、『やってみましょう』とご快諾いただき、レスポンサムに機能追加する形で対応していただけることになりました」(成田医長)
スクリーンショット 2021-12-27 22.41.37.png要請発信画面。要請内容、集合場所、対象者をデジタル端末(スマートフォン、タブレットなど)から発信できる。
スクリーンショット 2021-12-27 22.41.28.png集合要請画面。安否確認後に、集合に応じられるか、要する時間をタップで入力。
スクリーンショット 2021-12-27 22.41.44.png「配置部署図」。どの職域で、誰が、どこの部署に配置されているかを組織図で一元管理する。この画面は、電子ホワイトボード、プロジェクターに拡大表示できる。

■大規模防災訓練で、災害医療体制のスピーディーな構築を証明

 それからほどなくして『配置部署図機能』が完成し、レスポンサムに追加実装されました。新たに追加された『配置部署図機能』では、救護所、医療班構成、配置部署などの人員情報を、職員の安否確認と集合要請も含めて災害対策本部のPCで一元管理することが可能になったほか、組織図が系統的に表示されることで災害医療体制の全体像を簡単に把握することができるようになっています。
「災害時、事務職に求められる役割は医療の支援です。役割分担についても臨機応変な対応が望まれますが、大局的な観点から状況をつぶさに分析し、状況に応じた適切な対処を取るというオーガナイザーとしての役割を担うことも期待されます。その点、一つの画面で応答・参集状況の確認から配置指示、配置状況の確認ができるレスポンサムは、うってつけのシステムだと実感しています」(奥さん)
「配置部署図を電子ホワイトボードやプロジェクターに拡大投影することもできるなど使い勝手に優れ、災害対応力の強化が実現できたと満足しています」(野内さん)
実際、機能追加から間もない2021年9月3日、りんくう総合医療センター様はレスポンサムを使って大規模な訓練を実施。レスポンサムで職員の安否確認と集合要請を行ない、集合した職員を適切な部署に配置するなど、スピーディーに災害医療体制を構築できることが実証されました。
「レスポンサム導入以前と異なり、安否確認・集合要請の際、スマートフォンなどのデジタル端末へ安否確認・集合要請のプッシュ通知が届くようになったことで、少なくとも以前のような『安否確認や参集要請に気づかない』というケースが激減し、職員からの応答率も前年比50%増となるなど期待どおりの効果が得られました。また、人員配置に変更があった際も個人の各端末にすぐに反映されて情報共有が可能になるなど、配置と役割の『見える化』が実現され、とても便利になったと感じています」(成田医長)
 災害対応力の強化を目指したりんくう総合医療センター様の取り組みは、終わったわけではありません。成田さんは「災害に対しより強固な医療拠点を目指すため、今後もブラッシュアップを重ねていきたい」と話しています。

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「災害時、事務職に求められる役割は医療の支援です。大局的な観点から状況をつぶさに分析し、状況に応じた適切な対処を取るというオーガナイザーとしての役割です。その点、一つの画面で応答・参集状況の確認から配置指示、配置状況の確認ができるレスポンサムは、うってつけのシステムだと実感しています」(総務課 奥 伸行さん)

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「配置部署図を電子ホワイトボードやプロジェクターに拡大投影することもできるなど使い勝手に優れ、災害対応力の強化が実現できたと満足しています」(総務課 中山健太郎さん、総務課用度係 係長 野内純哉さん)

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