◆テーマ
「コロナ禍のスクールライフの良いこと(○)といけないこと(×)」
◆解説者
中田孝明 千葉大学 救急集中治療医学 教授
◆ポイント1:学内で良いこと(○)
・なるべく人と約2mはなれる。
・インフルエンザや新型コロナウイルスの予防接種を受ける。
・こまめな手洗いをする。
・咳やくしゃみの時は、ハンカチなどで口と鼻を覆って、その後は手洗いをするエチケットを守る。
・マスクを着用する。
◆ポイント2:学内で注意すること(×)
・密接 → 教室や学食の昼食は「会食」と同じで集まらずにする。
・飛沫感染 → カラオケや集まりでは、大声で歌わない、話さない。
・密集 → 混んでいる場所へは行かない。
・密閉 → 換気の悪い室内に入らない。
・接触感染 → 物を共有しない。
◆ポイント3:学外で良いこと(○)
・家から近い場所で遊ぶ。
・バーチャルで集まる。
・なるべく一緒に住んでいる人とのみ集まる。
・一緒に住んでいない人と集まる場合は屋外で。
・飲食物、道具などは自分専用のものを持参する。
<制作背景>
教育現場からの声
・難しい用語や略される言葉は、児童・生徒が理解しづらいもので、感染予防行動を指導するにも苦慮している。
・マスコミで見聞きする言葉からのイメージが先行してしまい、それ以外は大丈夫との認識がこどもたちにはある。
・こうした中で児童・生徒たちには誤解が醸成されていき、予防行動が散漫になっていることが感染拡大の要因の一つと考えている。
医療現場から本作制作にあたって
・学校生活で気をつけるべきことなど、児童・生徒に向けて伝えるべき事柄を絞る。
・言葉を学校生活で実感あるものに置き換える。
「会食」:接客を伴う夜のお店、飲酒会合などのイメージ → 学校での昼食場面。
「昼カラ」:年配者が集う昼間のカラオケのイメージ → 放課後のカラオケの場面。
「3密」:言葉のみとなって内容のイメージがわかない → 密接、密集、密閉の注意すべきこと。
Smart119が提供する「医療知識マンガ・シリーズ」では、救急・集中治療医と医療現場の見識から、これまでマスクのつけ方やメンタルケア、そして飲食店における新型コロナウイルス感染症対策を採り上げてきました。すでに多くの公共機関などで有効活用されています。春の進学・進級シーズンを目前に、大学、幼稚園、小中高学校等の教育機関から「学校生活での感染症予防対策を採り上げてほしい」との声を多くいただきました。
感染症対策の報道では、医学的な専門用語、また「会食」という言葉も「接待や飲酒がある会合」とのイメージがあり、児童・生徒は正しく内容を理解していない傾向が見受けられるそうです。こうした背景から、教育現場では感染予防の啓発指導の難しさを感じています。
本作は、コロナ禍の学校生活にある「良いこと」「注意すること」に分けて、親しみやすいマンガと平易な言葉で、健やかなスクールライフへ手ほどきをします。