株式会社Smart119|安心できる未来医療を創造する

職員の体調変化をアプリで可視化。健康管理のDX化促進で、院内クラスターの抑止に貢献
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地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター(大阪府大阪市)大阪府立病院機構の専門病院の1つ。救命救急医療、循環器医療等の急性期医療から、がん医療、難病医療まで高度な専門医療を広域的に提供する総合医療センター。DMAT(災害派遣医療チーム)の養成機関である。

医療機関用災害時危機管理体制強化サービス『respon:sum(レスポンサム)』を、ご活用されている地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター様に、お話を伺いました。


■アプリ一つで、職員2000人の緊急招集から、ささいな体調変化の捕捉まで
人類の歴史は、ウイルス感染症との闘いの歴史と言っても過言ではありません。歴史の時々において、最前線でウイルスと闘ってきたのは医療機関とそこで働く医療従事者の人々です。
大阪府大阪市の地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター様は、前身となる機関が、感染症の専門治療院として明治3(西暦1871)年に設立されたという経緯があり、長きにわたって感染症から人々の命と健康を守ってきました。開設から150年以上の時を経た現在では、救命救急医療、循環器医療等の急性期医療から、がん医療、難病医療まで高度な専門医療を広域的に提供する総合医療センターとして、質の高い医療サービスを提供しています。
『目に見えぬ強敵』であるウイルスに人類が打ち克つためには、忍び寄るその気配をいち早く察知するための仕組みを整えるなど、予防対策を徹底する必要があります。その観点から、大阪急性期・総合医療センター様では、株式会社Smart119が開発・提供・運用を手がける、『職員健康情報管理機能』がついた医療機関用災害時危機管理体制強化サービス『respon:sum(以下レスポンサム)』を2020年12月に導入し、約2000人の職員の体温や体調の変化、勤怠状況などをアプリケーションで一元管理し、予防対策に努めてきました。
 レスポンサムには、病院職員の『集合要請機能』と『健康管理機能』、『掲示板機能』などが基本機能として付与されていましたが、当初、大阪急性期・総合医療センター様はその中でも特に、災害時における職員の『安否確認』『集合要請』機能に着目して、レスポンサムの導入に踏み切っています。同センター総務・人事グループ災害対策室の徳重庄司主査は、次のように説明します。
「当センターは、大阪府立病院機構に紐づく5つの専門病院のひとつ。当初、大阪府立病院機構は大手警備サービス会社が開発・提供している災害対策システムの導入を決定していましたが、Smart119社が『医療現場を熟知した現役医師が率いるベンチャー企業』であることに魅力を感じ、より医療現場に即したシステムのレスポンサムの導入を機構に対して強く働きかけました。それが認められ、レスポンサムの導入に至っています」

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インタビューにお応えいただいた皆さん。左から、高度救命救急センター センター長 藤見 聡さん、医療技術部放射線部門 診療放射線技師 魚澤里奈さん、総務・人事グループ 災害対策室 主査 徳重庄司さん。

■急きょ実施したアップデートで、体調変化の『要因』を可視化

 大阪急性期・総合医療センター様は、巨大地震など大規模災害発生時に、地域の人々の命を守る医療機関を支援する役割と機能を果たす使命を担う『災害拠点病院』に指定されています。そのため突発的な災害や事態に備え、ふだんから災害医療訓練等を重ねており、職員の防災・危機管理意識の高さは際立っています。高度救命救急センターの藤見 聡センター長は「常に生死と向き合っている病院では、いわゆる『緊急事態』が常態化しています。日ごろから万全の備えを敷いているため意識が高いのは当然で、『危機』や『危険』をあまり特別視することはありません」と話されます。
 その状況が一変したのは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が始まってからでした。新型コロナウイルスは予想を遥かに上回る勢いで猛威を振るい、日本中の医療機関で新型コロナウイルスの院内クラスターが発生、大阪急性期・総合医療センター様でさえ被害を免れることはできませんでした。
「規模の大小は異なりますが、当センターも計3度のクラスター発生を経験しています。このときばかりは危機感や焦燥感が募り、院内が緊迫しました」(藤見さん)
 大阪急性期・総合医療センター様は急きょレスポンサムを導入し、『職員健康管理機能』を使って職員の体調変化の把握に努めるようになりました。『職員健康管理機能』は、毎日決まった時間にスマートフォン等の端末へLINEやメールでアンケートフォームのURLが掲載された通知を届け、職員は当該画面から体温や体調、勤怠状況を選択し、ワンクリックで返信する仕組みになっています。職員が入力・返信したデータはサーバへ蓄積されて、自動的に一元管理されます。徳重さんは、「この機能により、書類への記入と提出、PCへのデータ入力といった、以前までの煩わしい手間を省略することができ、健康管理業務の効率化が実現できました」と、レスポンサムの利便性の高さを評価しています。
その後、全国で頻発する院内クラスターに対処するため、日本政府は、2021年2月中旬から医療従事者を対象としたワクチンの先行接種を決定します。大阪急性期・総合医療センター様でも、2021年3月初旬から職員への先行接種がスタートすることになりました。それを受け、大阪急性期・総合医療センター様は、より万全で効率的な防疫体制を整えるために、レスポンサムの『職員健康管理機能』に『予防接種後項目(14日間の副反応状況)』を新たに追加するアップデートを希望しました。
「誰にどのようなワクチンの副反応が出るかの事前情報がない中で、職員の体調変化が、ウイルス感染によるものなのか、それともワクチン接種後の副反応によるものなのかを正確に見極める必要がありました。区別ができなければ、副反応による体調異変者を検査する等の対策を取らなければならなくなります。そこでSmart119社に対し、『可能であれば、軽微な体調変化を捉え、接種後の副反応の兆候をデータ化できる機能を追加してほしい』と打診しました」(徳重さん)
リクエストを受けた株式会社Smart119のエンジニアは、ただちに開発に着手。しかし、大阪急性期・総合医療センター様の職員のワクチン先行接種開始まで、残された時間はそう多くありませんでした。

■ワクチン接種後の副反応状況を一元管理。ユーザービリティにも優れ、より強固な防疫体制の構築に寄与

 エンジニアの懸命の努力により、『予防接種後項目』はワクチン接種前に無事に完成、2021年3月、レスポンサムにアップデートが施されました。「厳しいスケジュールだったにもかかわらず、スピーディーに対応していただき感謝しています。Smart119社の開発能力の高さと臨機応変な対応力に舌を巻きました」と、藤見さんは目を見張ります。
 追加された『予防接種後項目』では、従来同様、職員の直近の勤務状況を把握し、詳細な体温情報によって病院内濃厚接触者の候補の抽出が可能であることに加え、専用の管理画面により、『ワクチン接種後』の健康状況を一覧表示できるようになりました。0.1℃刻みでの体温入力や、症状の入力によって些細な体調変化まで捕捉、接種後の副反応の兆候が一目で把握できる仕様になっています。
「非番の職員の体調もわかるため、至便の一言に尽きます。接種後に体温が上昇した場合は副反応が原因であることがわかるため、濃厚接触者の抽出や特定が不要になるなど、とにかく利便性が高まりました。機能追加がなければ、体温上昇が見られた職員すべてについて検査を実施したり濃厚接触者を調査したりしなければならず、膨大な手間暇がかかっていたと思います」(藤見さん)
 ユーザービリティについても、藤見さんは「申し分なし」と太鼓判を押しています。
「デジタル機器やアプリの扱いに不慣れな医師や職員の中には、使用や入力を面倒に感じたりとまどったりする人もいましたが、実際に使い始めてみると操作が簡便で、しかも職員の健康状況が画面上で一目でわかる運用になっていますから、レスポンサムはすぐに評判を呼び、あっという間に浸透していきました。当センターに設置された感染制御室のメンバーもレスポンスサムのおかげで、それ以外の仕事に集中でき大変好評です。現在ではレスポンサム抜きでの健康管理や、クラスター発生防止対策は考えられません」(藤見さん)
 使い勝手の良さもあってか、レスポンサムの健康管理機能への回答率(日毎)は登録ユーザーの90%に達するなど、もともと高かった危機管理意識がより高まる結果をもたらすことになりました。そして『予防接種後項目』の追加以降、大阪急性期・総合医療センター様においてクラスターは発生しておらず、クラスター発生を未然に防ぐレスポンサムの能力も充分に実証されたと言えます。一連の成果を受け、徳重さんは「機構に対し、レスポンサムの導入を強く進言した私の面目が立ちました」と笑みを浮かべます。
大阪急性期・総合医療センター様は、レスポンサムにより防疫・防災体制の強化を図ることに成功しました。医療の最前線基地としての使命を果たすべく、今も懸命に命と向き合っています。

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「はじめは、使用や入力に躊躇する人もいましたが、簡便な操作で、職員健康状況が一目でわかりますから、健康管理と院内クラスター対策にレスポンサム抜きでは考えられない、と感染制御室も頼りにしています」(藤見 聡さん)

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「災害時対応を要請する立場からレスポンサムの導入を担当しました。職員の健康状態を一元管理できるのがメリットです。待機している濃厚接触候補者の体温上昇も把握できて、クラスター発生を防ぐ対応ができました」(魚澤里奈さん)

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「レスポンサムは、医療現場に即したシステムです。また『軽微な体調変化を捉え、接種後の副反応の兆候をデータ化する機能追加』を要望すると、すぐに応えてくれました」(徳重庄司さん)

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