2025.06.16
千葉大学発医療スタートアップである株式会社Smart119(本社:千葉県千葉市、代表取締役CEO 中田孝明)は、同社が展開する救急医療支援システム「Smart119」事業を株式会社アンクス(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役会長兼社長 菊永 満)へ譲渡する契約を締結しました。今後は、「Smart119」の導入自治体の同意が得られたものから、順次アンクス社への事業移管が行われる予定です。
近年、高齢化の進展や救急搬送件数の増加により、救急医療体制の逼迫が全国的な社会課題となっております。特に地方においては、医療資源の偏在や搬送時間の長時間化など、解決すべき課題が山積しております。
こうした中、Smart119が開発・提供する救急医療情報システムは、音声認識技術とAIを活用し、救急現場における「たらい回し」問題の解決や搬送時間の大幅短縮を実現してきました。同システムは、過去にNHK「おはよう日本」でも紹介され、千葉県下31消防本部・150医療機関への導入により約800万人の命を守る基幹システムとして稼働しております。
アンクスは「ITを通じて社会をもっと便利にもっと豊かに」というコンセプトのもと、地域のDX推進に取り組んでまいりました。このたび、Smart119の革新的な救急医療支援技術を同社の事業に統合することで、さらに救急医療の効率化と地域住民の皆様の安心・安全向上に貢献できると判断し、事業譲渡を決定いたしました。
・救急医療情報システム「Smart119」:指令センター・救急隊・医療機関をリアルタイムで情報連携
・AIによる救急要請予測システム:過去のビッグデータを基に救急要請の発生を予測し、救急車の最適配置を実現
・119番通報支援システム:スマートフォンを活用した映像共有により、正確な状況把握と応急手当の指導を支援
・what3words社の技術採用による精密位置特定:住所や目印がない場所でも通報者の位置を正確に特定
・千葉市消防局にて2020年7月より導入開始、約98万人をカバー
・AIを活用した救急車配置の最適化により、現場到着時間の短縮
・千葉県下31消防本部、150医療機関への導入により約800万人をカバー
・横浜市での実証事業開始(2024年10月)
・特許第6875734号(救急出動を支援するための救急出動支援システム)取得済み
本事業譲渡により、以下の効果を見込んでおります。
・救急医療体制の効率化・高度化
・救急搬送時間の短縮による救命率向上
・地域医療機関の連携強化とDX推進
・アンクスのAWS専門技術(セレクトティアサービスパートナー認定)とSmart119のAI技術の融合
・アンクスの100名体制エンジニア組織による開発力強化
・各都道府県の自治体・医療機関との既存ネットワークを活用した迅速な展開