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慌てずに対処しよう 「熱性けいれん」とは

慌てずに対処しよう 「熱性けいれん」とは

◆テーマ
「慌てずに対処しよう 熱性けいれんとは」

◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授

◆解説者②
市立ひらかた病院 小児科部長
谷口昌志先生

◆監修協力
新井久美子(救急科専門医)
横山達郎(麻酔科/集中治療科専門医)

◆熱性けいれんの症状
①多くは通常 38℃以上の高熱が出た時に数分間のけいれんを起こします
②白目をむいて、全身が突っ張ったり、ガクンガクンと手足をふるわせたりします
③呼吸がうまくできずに顔色や唇の色が紫色になることがあります
③生後6カ月~5歳で多いですが、それ以上でも起こることがあります
④ほとんどの場合は5分以内におさまり、後遺症の心配はありません

熱性けいれん時の対処法
熱性けいれんは、稀な病気ではないので、慌てる必要はありません

【けいれんが起こっているとき】
・顔の表情
・眼の偏りと動き
・手足の変化(全身が硬い、ガクガク震えている、からだの左右で違うか)
持続時間(ストップウォッチなどで測る)
・けいれんの後の様子などを観察しましょう
※5分以上続くけいれんは、止まりにくいです

【発作が起こって嘔吐することがあります】
・横向きに寝かせて、顎を少し上げましょう
・首まわりの服をゆるめて、楽な姿勢にしましょう
・舌をかむのではないかという理由で、口の中に割り箸などを入れてはいけません
・ゆすったりして刺激を与えるのもあまりお勧めしません
※スマホなどでけいれんが起こっている状態を動画で撮影すると受診時に役立ちます

こんなときは受診を
・けいれん後、30分以上経っても意識がない
・けいれんを繰り返している
・けいれんが5分以上続いている
・けいれん後に手足が動かないなどの症状がある
・全身ではなく体の一部だったり左右差がある

熱性けいれん後、予防接種をしても大丈夫?
最後に起こった発作から 2~3 か月経てば接種は可能ですが、かかりつけの小児科医に相談をして確認をしましょう

過去に熱性けいれんを起こしたことがある場合
※こちらの方法は、適応できる患者さんが限られます
発熱に気付いた時にすぐに1回目の熱性けいれんを予防する坐薬を使用して、8時間後に2回目を使用する方法があります
座剤の一番の問題点は眠気が強くなったりするため、事前に小児科医に相談が必要です

◆情報元
日本小児神経学会 熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023
https://www.childneuro.jp/modules/about/index.php?content_id=33

 

 



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