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製品開発ストーリー
『COVI-CO-Covid-19 Coordination- powered by respon:sum』

『COVI-CO Coordination- powered by respon:sum(以下:COVI-CO)』は、新型コロナウイルス感染妊産婦に救急医療が必要となった際、かかりつけ産科医(病院、クリニック等)と周産期母子センター等が必要な情報をリアルタイムに共有し、迅速な入院(転院)調整の支援を行うシステムです。入院調整が難航することによる「たらい回し」の発生を防ぎます。新型コロナウイルス感染拡大によるニーズを受け、既存の医療事業継続支援システム『respon:sum』の新機能として開発されました。

2018年の起業から3年、世界は新型コロナウイルス感染症の流行という新たな局面を迎えます。患者急増により、全国の医療機関では病床数の確保や症状に応じた治療を行うため「災害医療」と同等の体制が敷かれている状況でした。
そして2021年8月、千葉県内で新型コロナに感染し自宅療養していた妊婦の救急搬送先が見つからず、早産で生まれた新生児が亡くなるという痛ましい事案が起こりました。

中田「千葉県内には、もともと母体搬送ネットワークや母体搬送コーディネーターといった仕組みがあり、病院などとの連携が取れている状況ではありました。この事案も妊婦さんの状況は各所が認識していたのですが、情報の伝達手段が電話などのアナログツールしかなかったために、スムーズな共有が難しく受入先病院の調整に時間がかかってしまったのです」

この事案をきっかけに、新型コロナウイルス感染妊産婦の入院調整業務についてさらなる円滑化を検討してきた千葉県より要請を受け、『COVI-CO』の開発が始まりました。

中田「『COVI-CO』は当社の『respon:sum(レスポンサム)』というシステムをカスタマイズし、新機能として開発しました。『respon:sum』は、災害発生時の医療機関の機能不全を防ぎ、医療事業の継続を支援するシステムです。職員の安否確認や集合要請、人員配置などスマホやパソコンで迅速に行えるのが大きな特徴ですが、これはもとを辿れば“全員に連絡をしてそれぞれの応答情報を全員で共有する”という『ACES』の基本機能を発展させたものなのです」

新型コロナウイルス感染妊産婦の救急発生時、かかりつけ産科医が『COVI-CO』に入力した患者の情報は、保健所、県内複数の周産期母子医療センターへ自動的に共有されます。受入要請の一斉発信が可能で、受入可否などの応答内容はリアルタイムでわかるため、最適な医療機関へスピーディーに救急搬送することができます。

かかりつけ産科医、周産期母子センターが必要な情報を共有できる。受入要請の一斉送信、受入可否の一斉照会が可能

2021年は、新型コロナウイルスの「第5波」が到来し、新規感染者数は当時で過去最大となりました。8月に発生した痛ましい出来事が再び起こらないように、そして、1人でも多くの命を救えるように。開発が急がれた『COVI-CO』は、わずか3週間で完成し、実装されました。

患者情報入力画面。かかりつけ医によって、氏名、妊婦情報、そして「感染者との接触」を登録する。
要請依頼通知画面。医療機関に治療に必要な情報を記載した妊婦収容要請通知が届く。収容可否、検討など URLをワンクリックすることで返答される。
要請履歴画面。周産期医療センターでは、収容要請への状況を一元管理画面で把握する。返答有無、設備の稼働状況などから、最適な医療機関への搬入を決定する。
収容先決定通知画面。収容先決定も情報共有され、要請番号、受入医療機関名、また「収容依頼」が解除されたことが通知される

山尾「通常、新しいシステムを開発するとなるとゼロから設計等を考えますので少なくとも2〜3カ月はかかります。『COVI-CO』が短期間で開発できたのは、もともと情報共有のシステムとして開発した『ACES』や『Smart119』の考え方やロジックがあり、それをベースに設計できたことが大きかったと思います。メンバー一同、できるだけ早く現場に届けたいという気持ちでした 」

まずはわかりやすい課題から改善しようと開発した『ACES』、院外機関も含めた大規模な情報共有を可能にし、「たらい回し」という深刻な社会課題を解決すべく開発した『Smart119』。これまで積み重ねてきた開発成果を足がかりに完成した『COVI-CO』は、2021年11月に千葉県へ導入、運用が開始されました。

洲崎「開発には、千葉県内の13の医療機関、周産期医療センター、千葉県庁が連携し、一丸となって取り組みました。私は各施設との折衝や説明会の開催などでさまざまな機関を回り、その中で、みなさんお一人おひとりの“よい仕組みを作りたい”という非常に強い思いを肌で感じました。『COVI-CO』が短期間で開発、早急に導入できたのは、そうした多くの方々の強い思いがあったことも大きく起因しているのではないかと思っています」

中田「医療技術は進歩しても、それだけでは解決できない課題が医療にはあります。その中には、新型コロナウイルス感染症のような未曾有の出来事により、速やかな改善が求められることもあります。それらをデジタルの力と、多様なメンバーの知見、柔軟かつ独創的なアイデアで解決していく。『COVI-CO』の開発実用化も、その現れです。Smart119は、そうした未来の医療を実現できる会社だと確信しています 」

新型コロナウイルス感染症の流行によって、新たな医療課題が浮上しました。課題解決への対応力は、企業の成長、そして個々の成長に着実に結びつくものです。メンバーそれぞれがアイデアを出し合える柔軟な組織は、そうした対応力の根源となっています。
社会や医療を取り巻く環境が変わっていく中で、歩みを止めることなく前に進み続ける。現在進行形で成長できるのは、Smart119の大きな強みです。

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